2005年08月25日

自己満足だとしても

狭い部屋に大勢が押しかけて騒ぐとき、「タコ部屋」という言葉を面白半分に使ってた。
それが窮屈な場所に押し込められ、働かされた労働者たちだとは知っていたけれど、その実態はほとんど知らなかった。
『常紋トンネル−北辺に斃れたタコ労働者の碑−』(小泉喜孝 朝日新聞社)は約100年前の北海道開発におけるタコ労働者の実態を丹念な調査のもとに描き出している。

詐欺まがいで連れてこられ、逃げ出せない土地に作られた部屋におしこまれ、夜が明ける前から日が沈むまで働かれされたタコ労働者たち。けがをすれば見せしめのため死ぬまで放置され、中にはトンネルに人柱として埋められた者までいるという。

私は今、とても平和で安全な世界に生きている。だけど同じように人間として生まれながら、人間としての尊厳を守られず死んでいった人たちのことを知ると、どうしようもなくやりきれない。過去だけでなく、現在でも海外にはテロに巻き込まれて命を落とす人や、医療措置をうけられず死んでいく子どもたちがいる。どうせいつか人は死ぬのだけれど、なぜ生きているのかわからなくなってしまう。

どうすることもできない己の無力さを嘆きつつ、せめてそういった人々がこの世に存在していたことを知る行為を怠らないようにしたい。
posted by ハロル堂 at 18:39| 京都 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 本(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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